スライムパンク防止剤が、バルブコアを腐食することの証明
スライムパンク防止剤がバルブコアを腐食することは、自分の中では自明のことなのですが、なぜそう信じるに至ったのか説明して理解してもらうことは難しいことでした。
何故そう信じるに至ったのかを、もう少し考えてみました。
一番大きな理由は、バルブコアが腐蝕していない自転車のタイヤの中(チューブ)にはスライムパンク防止剤が入っていなくて、スライムパンク防止剤が入っているチューブでは、時間の経過にもよりますが、バルブコアに変色や、腐食が見られるからです。
腐食したバルブコアと、腐蝕していないバルブコアを日常的にみている私にとっては、これだけでスライムパンク防止剤がバルブコアを腐食すると理解できますが、経験していない人はまだ理解していただけないかもしれません。
スライムパンク防止剤が入っている自転車と、入っていない自転車は別な自転車でしょ、おかれている環境が違うんだからそれを比較しても意味がないんじゃないとの反論が聞こえそうな気がします。
その反論に対しては、
バルブの部品には、バルブコアと同じ真鍮(黄銅)を使い、同じようにニッケルメッキされたバルブナット(トップナット)やリムナットという部品が有ります。
バルブコアが腐食されていても、バルブナットやリムナットは腐食されていませんから、お客様はバルブコアの腐食には気づかれません。
同じ保管環境下で、スライムに接しているバルブコアだけが腐食されていれば、スライムパンク防止剤が腐食の原因であることは明らかです。
と一応の回答ができるのですが
厳密な証明を求める方からは、
バルブコアと、バルブナット、リムナットでは、形状が異なりメッキの掛かり方が異なるかもしれない、異なる形状の部品ではそれらが同じ反応をするとは言いきれない。
バルブナットやリムナットもスライムパンク防止剤による腐食を受けることや、スライムパンク防止剤が存在しない環境でも同一の挙動を示すことを照明する必要がある。
との反論が予想されます。
このようなやり取りを繰り返すと、最後は
スライムパンク防止剤によって腐食されないバルブコアは存在しないことを証明しなさい。
との不存在の証明にまで行きつくことになります。
スライムパンク防止剤がバルブコアを腐食することの厳密な科学的証明はこのように難しいものです。
ですがそんな厳密な証明を求める人にも納得してもらえるかもしれないと、腐蝕の実証試験と称してスライムパンク防止剤中でのバルブコアの変化を記録しています。
こんな記録も、科学的な証明には程遠いものですが、映像を見ることは疑似体験になりますので、納得される方が多くなるのではと期待しています。
誰かが「最上の証明とは経験である」と言っていた気がしますが、そんな日が来るまで記録を続けようと思っています。
今日は、家内と出かけて、修理はお休みしました。
今日のパンクのカウントは有りません。
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力太郎さん コメントありがとうございます。
GIF化してから、覗いてくださる方が増えたので、一応の成果です。
当店の修理では見る機会が減ってきた気がするのですが、それでも新しい自転車にslimeシールが貼ってあるのをたまに見かけます。
スライムパンク防止剤の被害低減を考えるだけでも、自分の知見が広がっていくのがおもしろいです。
まだまだ新しい発見があるといいのですが
実証試験は、バルブに目に見える変化が表れるまで、地道に続けていこうと思っています。
投稿: あのこら | 2019年5月 4日 (土) 09時27分
あのこらさん、おはようございます!
ページ右上のスライムパンク防止剤被害低減プロジェクト
GIFアニメで悪影響が分かりやすいのと
最初の頃より記載内容の構成が変化していて見易いですね。
専門的な文字の羅列の解説の方が自分は好きですがw
シンプルで視認しやすい内容の方が万人受けするのでしょうね。
パンク防止剤の何らかの成分でチューブのバルブコアやバルブベース?※チューブにバルブが納まる所の内部も
腐食し、いずれは空気圧が少ない状況下では早期にひび割れて駄目になり入れなければ起こらなかったチューブ交換に至るケースが多いのだろうと感じます。
個人的には適切な空気圧管理で維持し乗っていればパンク原因によりますが2,3年で腐食原因でチューブがパンク修理不能で交換になるのは信じがたいです。
5~10年から20数年の自転車レストアで新車時からの純正タイヤで未交換だろうと思われるチューブを見てもまだ使えると自分で判断できる状況で腐食は見られなかったです。
自転車タイヤメーカーによっては製造年が判断出来たので1989年~90年製のチューブでも経年劣化がありますがスライムを入れたような腐食は見られませんでした。
自分も科学的な因果関係を示しては伝えられませんがスライムの影響はあるのでしょうね。
スライムを奨められて入れる際はパンク防止効果はある一定の狭い範囲で効果があれど
入れるとバルブ腐食や詰まりのリスクや製品保証の使用期限の有無やパンク修理対応されずチューブ交換になる場合もあると理解して判断しないと後々起こり得る状況を思うと怖い製品だなとあくまでも個人的に思います。
そんな中でのあのこらさんの実証実験はどういう結果が出るか?時間が掛かるでしょうが楽しみで参考になります。
投稿: 力太郎 | 2019年5月 4日 (土) 08時30分