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2015年3月27日 (金)

バンドブレーキ鳴きについての一考察

自転車の後輪のブレーキにはキャリパーブレーキ、Vブレーキ、カンチレバーブレーキなどのリムをゴムで挟み込むブレーキ。

ディスクブレーキ、コースターブレーキ、ローラーブレーキ、メタルリンクブレーキ、サーボブレーキ、バンドブレーキなど、ハブの部分で、機械的な制動を掛けるブレーキが有ります。

デザインや、制動力、価格、メンテナンス性などの要素で、自転車の使用目的や価格の面でいろんなブレーキが使われています。

シティ車では、価格とメンテナンス性が重視された結果だと思いますが、ローラーブレーキ、メタルリンクブレーキ、サーボブレーキ、バンドブレーキなど、カバーで覆われたブレーキが多く使われているようです。

特に、低価格の自転車に多く使われているのが、バンドブレーキで、安いけれど、利きは良く、重さも軽いです。

唯一の難点とも入れるのが、ブレーキの鳴きで、後ブレーキを掛けると、「キィー」と甲高い音がすると、後ブレーキを使わない方もいるようです。
唯一の難点ともいえるのが、ブレーキの鳴きで、後ブレーキを掛けると、「キィー」と甲高い音がすることが有ります。
「音が恥ずかしい」と後ろのブレーキを使われないお客様に時々お会いすることもあります。

バンドブレーキは、厚さの薄いブレーキシュー(バンド)でドラムを外側から締め付けて制動力を得るのに対し、サーボブレーキは、同じようなドラムの内側からブレーキシューをドラムに押し付けて制動をしています。
20070613freewheelbicycle28 20070613freewheelbicycle30
バンドブレーキ(ベルト状のシューです)     サーボブレーキ(シューの取り付け部が剛性大)

*どちらの画像もhttp://www.geocities.jp/taka_laboratory_3/20070613-freewheel/freewheel.htmlから借用しました。

バンドブレーキとサーボブレーキは、ブレーキが利き始めると、ブレーキシューにブレーキの制動力を強くする力が加わることから、自己サーボ性ブレーキと呼ばれるそうです。

どちらのブレーキも、自己サーボ性で、制動力を高めているため、前に進む方向では、強くブレーキが働きますが、バックさせると、簡単に車輪が動きます。

自転車のサーボブレーキは、バンドブレーキに比べると鳴きにくいと言われますが、オートバイや車に使われているサーボブレーキは、意外と良く鳴きます。

ここまでの説明は、前ふりで、自転車で良く鳴くと言われているバンドブレーキですが、ブレーキシューと、ドラムの摩擦力が強くなると鳴きが起こるようで、ブレーキシューの表面を削ったり、ドラムの表面に研磨剤を少量塗ると、一時的に摩擦が減って、鳴きが止まります。

では、鳴くのは、ドラムでしょうか、バンド(ブレーキシュー)でしょうか?

同じような、ドラム形状のサーボブレーキが鳴きにくく、バンドブレーキが鳴きやすいのは、ブレーキシューを保持する構造体が、バンドとアームブロックで強度が異なる為で、実際に音を出しているのは、ブレーキシュー側だと、考察したのですが、間違いでしょうか?

自動車のディスクブレーキの音鳴き対策用品も、摩擦軽減を狙ったもの以外は、ブレーキパッド側で対策を取るようにされているので、あながち間違がった考察ではないと思っているのですが・・・

もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えいただけると嬉しいです。

【2015.06.17追記】
バンドブレーキの画像が違っていた為、サーボブレーキの画像も併せて、構造の良く分かる画像に差し替えました。

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コメント

力太郎さん 今、桜見物から帰ってきました。
50mほど、軽くブレーキを引きずって走っただけですが、ドラムが火傷しそうな温度に上がっていました。
温度上昇を結構甘く見ていたなというのが実感です。

修理屋としての対処は難しいですが、新しく購入した自転車のバンドブレーキに放熱板を追加する対処は、鳴き止めとしては有りかも知れません。

力太郎さん 再度のコメント有難うございます。
熱による摩擦係数の変化を無視するするわけではないのですが、低速で、車体重量も軽く、ホイールの大きい自転車では、熱の影響はバイクや自動車に比べると相対的に小さく、温度上昇もライニングの変質に至るまでの温度ではないと思うのですが、

自転車のブレーキで放熱フィンを持つのは、ローラーブレーキのダウンヒル用、メタルリンクブレーキなどごく少数だと思います。
これらも、グリスへの影響を考慮したレベルではないかと。

ちょっと調べただけなので、断定は出来ませんが、デスクブレーキのライニングは、ガラス繊維等をレジンで固めたものが国内では一般的と有りました。
バンドブレーキや、ドラムブレーキでも、これに準じたものだと、レジンの熱変性温度が約200度とありましたので、そこまでの上昇はしていないような気がします。
一度、坂道をブレーキを掛けて降りて、確かめようと思いますが・・

音が鳴るのは、新品の自転車でもありますし、雨上がりで鳴ると言われることもあります。訳が分からないのは、うるさく鳴るんですと言われた自転車が、暫く乗っていないと音が消えたり、チェーン調整で、リヤのハブナットを緩めて、締めなすと鳴らなくなったりします。
一番多いのは、購入して3カ月から半年してまり出すケースでしょうか。

キャリパーブレーキや、Vブレーキのシューは、レジンベースではなく、ゴムベースなのかなと思います。
カーボンリム用は放熱が悪いので、パッドの材質が違うと聞いたような気もします。

今から、自転車で、桜を見に行きますので、バンドブレーキの温度上昇を確認してみます。

あまり参考にならないですが…
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/knowledge_adjustment/brake_troub2/index.html
診断2がドラムブレーキは摩擦熱の影響でなると思いました。
自分が持っている本に書かれてる内容だと…
ドラムブレーキは密閉状態のドラム内周壁面を摩擦するので連続使用で熱膨張し
(※ドラムのケースの方が膨張?)
ライニングとの隙間が広がり制動効果が落ちフェードする…
調べてみるとハッキリ分かる記述や例が少なく真相は謎ですね

あのこらさんが仰る
制動力が一定の数値を超えると、音鳴きするとも~
は摩擦熱が一定の制動力で上回ると
ブレーキシュー・ライニング面の摩擦熱での表面硬化も一因かなと思いました。
ブレーキ鳴くタイミングが
冷間時or温間時か新品時でなるのか?しばらく使用して表面が摩耗硬化した状態なのかで
原因は特定できそうですが…
解決させる処置が……難しいですね

制動力がある
キャリパーブレーキがパッドの当たりが合えば鳴かないのは
制動しても外気で常に冷やされるから摩擦熱でパッドが劣化しにくいのでは?と
思いましたが…どうでしょうか

力太郎さん コメントとご教示有難うございます。

制動力=摩擦係数x接触面積x押しつけ力
だと思うのですが、接触面積は変化せず、自己倍力作用がある為に摩擦係数が変わると押しつけ力も変化すると思っています。

制動力が一定の数値を超えると、音鳴きするとも思っているのですが、測定器等が無いので、試行錯誤で色々試してみるしか有りません。

今のところ、接触面積を変えることで、効果の出るバンドブレーキもあるのですが、ドラムの表面性が違うバンドブレーキが有り、音が消せないでいます。

ローラブレーキやメタルリンクブレーキは、多分、グリスで、摩擦係数を一定値にしてあまり制動力が変化しないようにしているのではと考えていますが、当たっているのかどうか・・

熱による、摩擦係数の変化は、気がつきませんでした。

自転車で調べても、あまり情報が得られず、バイクや、自動車関連の方が、ブレーキの音鳴きについて対処されている情報が多いので、暇があると、自動車バイクのブレーキ関連サイトを見ています。

自転車は、機械ではなくて、道具として、体感的に評価されるのは当然な気もするのですが、理屈屋なので、ちょっと寂しい部分もあります。

あのこらさん、おはようございます
中々興味深くて面白いタイトルですね
ドラムブレーキで自己倍力作用の働きがあるから
シンプルだけど効きが強いって最初に習った気がします。
前進時は効くが後進時に効きが弱いのは
片側一か所でブレーキシューを広げてるユニサーボ式に近いからかな?
と思います。
机上の空論ですが…
自転車のサーボブレーキとの鳴きの違いは外から内に挟むバンドブレーキと
内側から外に押し付けるサーボブレーキの構造と強度の差かな?と自分も思いましたが
メーカーが鳴きにくい素材でブレーキシューのライニングを使い分けてる
思う気が少しありますが
摩擦熱&摩擦力が高まる時のブレーキシューの成分が違うか放熱性
かなと感じました。

音を出す主原因はブレーキシュー側だと自分も思います。
複合的な原因で起こると思いますが
車だと摩耗するブレーキパッド側の音鳴き対策品や施工が多いから
あのこらさんが仰る考察通りでは?と思いますよ。

ローラーブレーキは何故?鳴かないのかって…構造的に見ると
面白いですね
金属同士で圧着して効かせてるのに専用グリスが塗布してあると
鳴かずマイルドに効くので不思議に思います。

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